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しばた歯科ブログ

−噛む力によって起こる現象−

2020年7月28日

岐阜県可児市、しばた歯科可児おとなこども矯正歯科の歯科助手チームです。

歯周病や虫歯など細菌が原因で起きる疾患は、診断や処置により歯を失くす数は減って来ています。 しかし、力の影響はさまざまな変化として現れます。それが口腔機能によって生じているのか、加齢変化なのか、あるいは進行中の変化なのか、過去に生じた結果なのかを判断するのはとても難しいと考えられます。

 

ただ、力の問題は患者さんの心身状態やストレス、悪習癖なども影響しています。お口の中の状態だけではなく、患者さんの生活背景なども影響しています。

 

目次

 歯に変化を起こしやすい歯列

 

1  過蓋咬合(ディープバイト)

上下を咬み合わせた時に、上顎の前歯が下顎の前歯に過剰に深く咬み合う状態です。

上顎前突下顎劣成長など骨格の問題が原因と考えられます。過蓋咬合は下顎が動かしにくくなるため慢性的に顎関節に負担がかかり、顎関節症を発症することがあります。また、上下顎の前歯同士が強く接触し咬耗が進むと、下顎前歯切端が上顎前歯口蓋側歯頸部に当たりやすくなる事もあります。

 

2  開咬(オープンバイト)

上下顎の前歯、ときには臼歯が咬み合わず離開している状態です。舌癖や低位舌の患者さんにみられます。前歯が咬み合わないことで臼歯部に過分な負荷がかかるため虫歯の発症や歯周病の進行リスクが増えます。また、口呼吸になりやすく口腔乾燥から口臭の原因や虫歯、歯周病の原因になる事があります。

 

3  舌側への歯の倒れ込み

口頭嵌合位で歯同士を強く押しつけるクレンチングをしている場合、クレンチング時に口腔周囲筋が強く歯を外側から内側へ押さえつけるため、側方歯群は歯列内側へ転位してしまいます。咬合面観では臼歯の頬側が見えます。

 

4  上下顎臼歯の強い接触

咬み合わせた時に咬合面の面接触が広く、密着しています。上下顎の歯に緩みが無いので口頭がくさび状になり、歯冠の破折や歯根破折を起こす事があります。

 

5  骨の膨隆、骨隆起

筋肉を鍛えると筋肉量が増すように、強い咬合力が歯を介して歯根膜、骨へと伝わり、骨芽細胞を刺激することで、骨が添加して膨隆すると考えられます。例えば、強い咬合力が頬側から歯に伝わると力は舌側の骨に伝導して、その圧力によって骨が添加して骨隆起が発生します。

 

6  ファセット(咬耗)

ファセットは、対合歯と繰り返し咬み合う事で歯の一部がすり減った現象です。補綴物には、シャイニングスポットと呼ばれる滑沢になった面として現れます。その力が継続すると、すり減りは咬合面全体に及び、咬合平面の平坦化、前歯切縁の直線化となり、咬耗と呼ばれます。咬耗によって象牙質が露出するとすり減りが加速して歯が欠けたり、割れるなどの事が起きやすくなります。

 

7  アブフラクション(WSD)

アブフラクションは、セメント-エナメル境界付近のエナメル質がくさび状に実質欠損する現象です。歯に揺さぶるような力が加わると歯頸部に力が集中してエナメル質が破折して起きます。丸みがある形ではなく、鋭利で明確な窩洞として現れるといわれています。

歯髄に外部からの刺激が伝わりやすくなると知覚過敏が起きる場合があります。力がかかる方向によってはアブフラクションが口蓋側、舌側に現れる場合もあります。咬合面にブラキシズムなどの強い力が習慣的に加わると、応力が歯頸部のエナメル質に集中します(逆に力が加わらないと、応力は反対方向に向かいます)歯頸部のエナメル質は、咬合面と異なり非常に薄くなっているため、エナメル質は壊れやすく、応力によって小さな隙間が作られます。その隙間に唾液や食べ物、飲み物からの酸が入り込むと、エナメル質を構成しているアパタイトの結晶が溶けて、エナメル質が欠けて角の尖ったくさび状の欠損ができると考えられています。

 

8  歯冠破折、歯根破折

歯に強い力がかかり続けると、表面のエナメル質に小さなひび割れ(マイクロクラック)が発生し、力が継続してかかり続けるとエナメル質実質欠損である歯冠破折になります。

神経を取って治療した歯で土台が入っている場合は、被せ物にかかる力が土台の先端に集中して歯根が破折する事が多くなります。歯根破折した歯は、破折した所から感染が根尖方向に及ぶ為抜歯になる事が多くなります。

 

9  歯肉の変化(リセッション(歯肉退縮)、フェストゥーン、クレフト)

リセッション(歯肉退縮)とは、辺縁歯肉の位置がセメント-エナメル境より根尖へ移動する事により歯の根の部分の露出範囲が広くなる事です。リセッションには生理的退縮と、病的退縮があります。歯肉が退縮すると審美的問題となったり、象牙質知覚過敏などを起こす可能性があります。フェストゥーンは、力が加わって歯が圧下しても、力によって歯肉の付着が破壊されることはないので、付着の位置が根尖方向に移動し、歯肉が肥厚してできると考えられます。歯槽骨や歯肉が薄い部位では、歯肉がV字やU字の裂溝となって退縮するクレフトが生じる事があります。

 

10  セメント質剥離

歯根膜繊維を歯根に付着させているセメント質は、加齢と共に徐々に添加して厚みが増します。持続的に力を受けた歯はセメント質が破壊されてセメント質剥離と呼ばれる症状が

出ることがあります。60才以上の人で失活歯に多い傾向があるようです。

 

11  生体の恒常性の維持機構

色々な問題を抱える人でも、環境の変化に対応して安定した状態を維持しようとする恒常性があるので、口腔内も歯のすり減りなどの変化に対応して、自然とバランスを取った咬み合わせをしていると考えられます。

 

 

可児市、美濃加茂市、多治見市周辺の歯にお悩みのある方はぜひしばた歯科可児おとなこども矯正歯科までご相談ください。

 

参考文献 デンタルハイジーン vol40  2020.

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