目次
1.親知らずは抜いた方が良い?痛みはある?
大臼歯の1番奥の智歯、親知らずは、”抜いた方が良い”場合も多いです。
親知らずの抜歯というと、痛く腫れるイメージを持っている方も多いと思いますが、まっすぐ生えている時ほど痛みが出にくいです。
また、下の歯の方が周辺組織が複雑かつ、上の歯の方が骨が柔らかく抜歯しやすいことから、上の親知らずの抜歯の方が痛みが少ないといわれています。
一方、下の歯は炎症が生じやすく、頬まで腫れてしまうケースも少なくありません。
手術中は局所麻酔を行っているので、基本的に痛みはありません。
抜歯に1時間以上もかかる難症の時も、その都度麻酔を追加していくため、痛みはさほど気になりません。
手術の後は、痛みより腫れが強く出ることがあります。
腫れ具合に関しては、術中の出血量や抜歯にかかった時間、切除した箇所、骨をとった量などによって異なるため、個人差があります。
親知らずがしっかりとまっすぐ生えている症例の場合は、歯茎を切ることもなく短時間で抜歯できるため、術後の予後も良いです。
ただし、第三大臼歯はまっすぐ生えていることの方が珍しく、水平に埋まっていることもあります。
この場合は、被さっている歯茎の切除や骨を取ることもあるため、時間がかかり、術後の腫れにも影響することがあります。
抜歯自体はその日のうちに完了しますが、症例によっては、1時間以上かかることもあります。
こういった難症例の場合、口腔外科への紹介状を書く医院も多いですが、当院は、全て院内で対応させていただきます。
紹介状をお渡しする場合は、紹介先の病院の予約状況で手術日が決まるため、日数がかかってしまうことも多いのです。
患者さまの中には痛みを抱えている方もたくさんいらっしゃいますので、当院はなるべくスピーディーに抜歯ができるように配慮させていただいております。
2.親知らずの抜歯はしなくても良い?
抜歯した方が良い場合と抜歯しない方が良い場合、どちらもあります。
例えば、第二大臼歯(親知らずの1つ手前の歯)を虫歯や歯周病などの原因により失っている場合は、親知らずを活用することもあります。
失った歯の前後の歯で支えるブリッジも親知らずがないとできませんし、入れ歯を装着するにしても、後ろの支えがないと不安定になります。
抜歯が必要になるのはあくまでも、周囲の歯に悪い影響を及ぼしていないかで判断されます。
つまり、虫歯や歯周病もなく、噛み合わせなどの問題のない場合は、無理に抜歯する必要もないのです。
親知らずがまだ顔を見せていない状態の方も同様です。
また、親知らずに神経が触れている場合は、後遺症のリスクがあるため、抜歯をしない選択をあえて取ることもあります。
親知らずは抜歯するもの、と思われている方も多いですが、このように抜歯しなくて良い例もたくさんあります。
気になる方は是非1度、検査を受けてみることをおすすめします。
3.親知らずのリスク
皆さんもご存知の通り、親知らずは歯の1番奥にあるため、歯磨きが行き届きにくく、虫歯になる人も少なくありません。
また、親知らずはまっすぐ生えていないことも多いため、噛み合わせが悪くなることもあります。
抜歯した方が良いケースについては、以下も併せて参考にしてください。
1.虫歯や歯周病がある
親知らずの周囲に歯垢、歯石が溜まってしまうと、虫歯や歯周病の原因になります。
まっすぐ生えていない親知らずの場合はとくに汚れが溜まりやすくなっているため、注意してください。
2.歯肉に炎症がある
汚れが溜まると、歯垢、歯石によって親知らず周囲の歯茎が炎症を起こすことがあります。
智歯周囲炎と呼ばれるもので、重度になると、ズキズキとした強い痛みが出て、頬まで腫れてしまうこともあります。
薬の服用で炎症や痛みを抑えることはできますが、繰り返し症状が出る場合は抜歯することをおすすめします。
3.口臭が気になる
上記と同じく汚れが溜まると、口臭の原因になります。
歯石は歯磨きでは除去できない強固な汚れですので、歯科医院でクリーニングを受けてください。
4.口の開閉に痛みが出る
親知らずがまっすぐ生えないことで、顎の動きに異常が生じることがあります。
口が開けにくい、顎に痛みがあるといった時は、1度検査を受けてみてください。