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歯に歯石がついている!インビザライン矯正に影響はある?前編
インビザラインは透明なマウスピースを装着して、目立たずに行える矯正治療として、人気のある矯正治療方法です。
ただインビザライン矯正は歯磨きをする度に外す必要があり、学校や仕事中では食後の歯磨きができないこともあります。そのような場合は汚れが蓄積し、歯石がつきやすい状態になります
インビザライン矯正中に歯石がついてしまうと歯の移動を妨げることがあり、治療期間にも影響を与える可能性も。
今回は歯石がついているとインビザライン矯正中にどのような影響を与えるか解説します。
1.歯石がついているとインビザライン矯正に影響が?
インビザライン矯正中に歯石がつくとどのような影響があるのでしょうか。はじめに歯垢と歯石について理解しておきましょう。
1.歯石とは
まずは歯垢と歯石の両者の違いについて理解しておきましょう。
歯垢は歯の表面につく細菌のかたまりで、プラークとも呼ばれています。歯垢は食後4~8時間ほどで作られ、1gの歯垢の中には1000億以上の細菌が生息していると言われています。
歯垢がついたままにすると、糖分を原料にして酸を出し歯の表面のエナメル質が溶け出して虫歯になるのです。
歯石は歯垢が唾液の中にあるカルシウムとリンが結びついて石灰化したものを指します
分りやすくいうと歯石は歯垢が石化したものといえるでしょう。歯石の表面はザラザラしているためその上に歯垢がつきやすい状態になります
2.歯石がついているとどうなるか
歯石になると歯垢に含まれていた細菌は死滅しているため、歯石自体は虫歯や歯周病の原因になることはありません。
ただ歯石の表面を顕微鏡で見ると、凸凹していたり、無数に穴が空いていたりします。そのため、歯石の表面には歯垢がつきやすく、さらに歯石になるといった悪循環になります
つまり歯石は歯垢のすみかとなるのです。そのまま放置すると蓄積した歯垢によって虫歯や歯周病になる可能性があります。
2.歯石がついている場合インビザライン矯正にどんな影響があるか
ではインビザライン矯正中に歯石がついているとどのような影響を与えるのでしょうか。歯石が溜まると以下のようなことが考えられます。
- 計画通りに治療が進まなくなる
- 虫歯や歯周病になるリスクが高くなる
それぞれ詳しく解説します。
1.計画通りに矯正が進まなくなる
インビザライン矯正中に歯石がついてしまうと、マウスピースが浮いてしまったり、歯の移動を妨げたりすることがあります。
その結果、計画とおりに治療が進まず、治療期間にも影響を与える可能性があります
2.むし歯や歯周病になるリスクが高くなる
上述で歯石がついていると歯垢が蓄積しやすい環境になると解説しました。
歯石自体は悪さはしませんが、歯石についた歯垢によってむし歯や歯周病のリスクが高くなります。
インビザライン矯正中は歯石がつかないように定期的なクリーニングを行うことと、自宅でのセルフケアを行うようにしましょう。
3.歯石がつきやすい人
体質によって歯石がつきやすい人とそうでない人がいます。歯石がつきやすい人の特徴は以下のとおりです。
1.唾液がアルカリ性
むし歯の原因は歯についた食べかすを虫歯菌が原料にして酸を出し、歯の表面のカルシウムやリンが溶け出すことによってできるものです。
ただアルカリ性の唾液では酸を中和して歯の表面のカルシウムやリンを歯の表面に戻す働きがあります。このことを再石灰化と言います。
一方で歯垢が歯石になる原因には、唾液の中に含まれているカルシウムやリンが歯垢と結びついて歯石になります。
つまり唾液がアルカリ性であるとむし歯になりにくいですが、歯石がつきやすい傾向にあるのです。
2.唾液の量が多い
唾液の分泌量が多いと、歯の再石灰化を促す作用が増えるため歯石がつきやすい傾向にあります。
3.唾液の質がさらさらしている
唾液の質がさらさらしている人の方が、歯垢を再石灰化しやすい特徴があるため歯石がつきやすい傾向にあります。
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